STORY

キリストが生まれて2045年、
全てのテレビ番組は検閲が入っていた。
メディア戦争をフルアクセルで通過し、
検閲が当たり前になった時代。

アオシマが半生共に歩いた謎は
まるでフェルマーの最終定理だ。
一向に解ける気配も無いまま、父親を憎むほどになった。

そして、14年と317日ぶりに再会したサクライ家の姉妹は、
長い年月が、血のつながりをほどく事を知った。
二人の間を繋ぐ筈の言葉は、壁をすり抜け、
宇宙を折返し地点に、テレビの向こうから聞こえてきた。

検閲の手をかいくぐり、テレビの中でアオシマが呟く。
「このドラマはあなた達の失われた15年だ。」

アオシマはマイク片手に喋り続け、姉妹はお互いを殺し合い
ドラマが現実をたいらげる。
姉妹の世界がアオシマの謎を解く、アオシマの足元にはそんな希望だけが転がっていた。

最後に笑うのはいったい誰か。
検閲の手はゆっくりと手のひらをグーにし始めていた。

衛生放送が考案されてから100年。
相変わらず、現実がドラマよりドラマチックだなんて事はない。